スタッフ日記

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東京地裁へ行って来ました

水曜日は、裁判の傍聴と、交通ジャーナリスト今井さんと飲みたくて東京へと行ってきた。 今井さんがその様子をメルマガに UPしてたので、お礼に宣伝も兼ねて紹介するです。では、またっ   


  今 井 亮 一 の 裁 判 傍 聴 バ カ 一 代

 <男の人と寝て稼いでましたと万引きおばさん>

             2017年3月7日(火)

─────────────☆第〇〇〇〇号☆



 被告人の名は「■子」。■という漢字を女性の名に用いるのは非常に珍しい。見覚えがある。
 あとで俺の超絶マニアックデータ(事件数で現在約3万6030件)に当たったところ、2010年5月11日に「窃盗」の、2013年2月15日に「常累窃盗」の、いずれも東京地裁で、同姓同名の判決期日があった。


 3月8日(水)13時30分~14時30分、東京地裁716号法廷(20席、伊藤ゆう子裁判官)で、その被告人の「常習累犯窃盗」の新件。

 被告人は身柄(拘置所)。濃い黒髪は、昔の少女のようなカット。メガネで、おちょぼ口をへの字にして、かなりのたぷたぷ体型。非常に特徴的な容姿といえる。
 年齢は50歳。住所は「ないです」、仕事は「してません」。
 検察官が起訴状を読み上げた。

検察官 「被告人は、下表の刑の執行を受けたものであるが、さらに常習として、平成29年(2017年)1月24日午後2時54分頃...」

 新宿のドンキホーテでCDプレーヤー1台、ポケットライト1個、乾電池1パック、サポーター2個、使い捨てカイロ2袋、菓子2袋、販売価格合計8784円を万引きしたんだそうだ。

 同種前科9犯、同種前歴5件。
 1987年(だからつまり21歳頃!)から「窃盗」「常累窃盗」で検挙されることをくり返し...。
  1、2006年11月14日確定、「窃盗」、懲役3年。その刑は2009年10月20日終了。
  2、2010年5月26日確定、「窃盗」、懲役2年6月。終了日はメモしきれず。
  3、2013年5月27日確定、「常累窃盗」、懲役3年4月。2016年8月13日終了。

 最後のは、超絶マニアックデータの地裁判決の期日からして、控訴したわけだ。
 ちなみに、2009年10月20日の終了分も含め、本件犯行日前(ぜん)10年間に3件の懲役刑を受けているので、本件は「常累窃盗」になるのだ。
 そういう決まりのもとにあるので、うまく間が空けば「常累窃盗」のあとの犯行が「窃盗」とされることもある。
 上記1の「窃盗」が懲役3年と重いのは、その前が「常累窃盗」だったりするんだろう。言ってること分かる?

 果たしてこれもクレプトマニアなのか。

 前刑出所後、新宿区役所で生活保護を受け、施設で生活。
 ある日、パチンコ等で所持金を使い果たしてしまい、1週間ほど戻らず、施設の規則違反で出された。
 以後、漫画喫茶に泊まったり野宿したり、生活費に困窮して万引きしたんだという。

 弁護人の立証は被告人質問のみ。

弁護人 「現在、被害弁償をしていませんね」
被告人 「あ~、お金がないです、すみません」
弁護人 「将来、弁償は可能なんですか」
被告人 「え~と、出て働いてお金を返したいです」

 言葉とは逆に、働く気も弁償する気もないんだな? とありありうかがえる。ただ...。

弁護人 「働いたことはあるんですか」
被告人 「あります。え~とホテルとかで、リネン交換、半年くらいですか」

 それは2009年に出所したときのことだそうだ。
 時期は不明だが、「新幹線の掃除とか」もやったことがあるんだそうだ。

弁護人 「万引きをくり返しているのはなぜですか?」
被告人 「正直言うと、保証人がいないのと、相談する人がいないからです」

 役所に相談すればいいのに、との問いに対しては、こう答えるのだった。

被告人 「役所で相談するんですが、いま順番待ちだからって、ずるずるいって結局、ホームレスみたい形で...働かなきゃいけないと分かってるんですけど、結局、ケースワーカーさんに相談しても、抱えてる人数多いからちょっと待ってね、ずるずる、じゃもうめんどくさいからいいやって...(万引きに走る理由は)泊まるところでお金使っちゃうから」

 家も職もなく万引きするしかない者に対して、ケースワーカーはそんな対応をしないはずだ、と弁護人から言われ...。

被告人 「(施設が)1カ所あったけど、そこ男性だけ...じゃ漫画喫茶に泊まるからって、残ってるお金使った...(女性の施設へ)行ったら、いっぱいだから今回はあきらめてくださいって」

 そうは言いつつ、3カ所の施設に入ったんだそうだ。2カ所をなぜ出たのか不明だが、3カ所目は1週間ほどの無断外泊で追い出されたわけだ。

 とにかくだいぶ漫画喫茶好きらしい。
 あのたぷたぷ体型は、飲み放題の果糖ぶどう糖液糖(異性化糖)でつくられたものか。

弁護人 「漫画喫茶のお金、どうしてたんですか」
被告人 「あ.........男の人と寝て稼いでました」

 なにおうっ! いろんな意味で、俺は眉を吊り上げた、白髪が交じり始めた眉を。
 しかしその話はそれきり終わってしまった。
 検察官はこう突っ込んだ。

検察官 「逮捕されたとき、1万5千円くらい持っていましたね」
被告人 「はい」
検察官 「そのお金でなぜ弁償しないんですか」
被告人 「どうやってしていいか分からなかったんで」
検察官 「前回の万引き...弁償しましたか?」
被告人 「してません」

検察官 「万引きしないよう、注意していましたか?」
被告人 「してました。結局、お金が足りなくなって」
検察官 「(昨年)8月に出所してから、他に万引きをしたことは?」
被告人 「してません」
検察官 「出所後、初めて万引きしてたまたま捕まってしまったと?」
被告人 「はい」

 裁判官はこう尋ねた。

裁判官 「生活保護を受けて保護施設へ...どうして出たのですか」
被告人 「出たんじゃない、出されたんです」

 全体を通して、自分は悪くない、自分はマジメにやる意思がある、ちょっとずるずるしただけだ、そんなものが感じられた。

裁判官 「しばらく(施設へ)帰れなかったからですか」
被告人 「お金使っちゃって電車賃なくなって、借りに行ったら貸せるお金ないって言われて、じゃいいやってずるずる」
裁判官 「お金は何に使ったんですか」
被告人 「遊びに使っちゃいました」
裁判官 「パチンコですか」
被告人 「もありますけど.........別な用事...」

 「別な用事」とは何か、誰も突っ込まなかった。
 まさかホストクラブ? 生活保護費をぜんぶホストクラブに...あり得る話、かも。

 検察官は論告で力強く述べた。

検察官 「再犯可能性は極めて高く...矯正施設に収容して徹底した矯正教育を施す必要が...」

 俺は傍聴ノートに書いた、「バカですかっ(笑)」と。
 矯正施設だの矯正教育だの、空虚な官僚的タテマエ幻想にすぎないことの、この被告人は証左じゃないか。

 求刑は懲役5年。重いっ!
 弁護人は最終弁論で、被害金額である8784円にちょとこだわった。

弁護人 「8784円...消費税込み...法的評価に関しては...争うわけではありませんが...」

 なるほど確かに。そして力強く述べた。

弁護人 「勤労意欲があり、生活を立て直す意思がある...原因は生活困窮にある...」

 俺は傍聴ノートに書いた、「そーじゃねーだろっ!」と。

 判決は3月29日(水)13時20分と決め、14時09分閉廷。
 本件はクレプトマニアとはほど遠い。どこが違うのか、別の機会に。


──────★ 編集後記 ★───────

 やっぱ「■子」という名は珍しいので、「赤ちゃん命名ガイド」なるサイトにその姓名を入力してみた。
 「■子」についてこう出た。キーワードは「意志薄弱 失敗 病弱」で「中途挫折運がつきまとう人」だそうだ。うーん。

 ちなみに俺についてもやってみた。「亮一」のキーワードは「多難 大凶」で「虚しさにさいなまれる人」だそうだ。ひぃ~(笑)。

 ところで、ご記憶だろうか、奈良県警の現職警察官がオービス事件等交通違反を複数もみ消し対価を受け取った、という事件の裁判が奈良地裁で2015年7月~12月にあった。
 俺は高速バスで奈良地裁へ通い、本誌第1530号、第1564号、第1565号、第1592号、第1593号、第1594号、第1595号、第1607号でレポートした。

 あのとき奈良地裁で知り合った大阪のマニア氏が、3月8日(水)、高速バスで東京地裁へ来訪した。
 その日、午前を休んだ俺は、同氏に対しCメールで、もし可能なら11時からの「器物損壊」の判決を傍聴してほしいとお願いした。
 超絶マニアックデータでは2013年7月31日に東京高裁で「酩酊防止法違反」の控訴審第1回があった、その被告人と同姓同名なのだ。

 同氏はしっかり傍聴してくれた。
 なんと、昨年9月28日に品川駅で、酔っ払って(検査値0.58mg)電車内で連れとモメ、ホームドアを壊し、損害額186万1290円
 否認したが、防犯カメラ(と称する監視カメラ)の画像および駅員の証言から、有罪。罰金30万円
 そんな事件だったのか~!

 大阪からはるばる来訪されたマニア氏を、さっそくお使い立てして申し訳ない。でもありがとございます~(笑)。 ←歓びの笑い。

 夕方までいっしょに、また分担して傍聴し、言うまでもなくっ、究極の居酒屋「昭和」へご案内した。
 その様子は同氏がタブレット端末で直ちにFacebookにアップした。画像を見ると俺は疲れて眠そう(笑)。 ←自嘲の笑い。

 それから新宿へ出て、有名な新宿二丁目と、有名な歌舞伎町をご案内した。今号の万引き被害店であるドンキホーテも。嗚呼、楽しかった(笑)。 ←楽しかったの笑い。 ←うるせぇよっ(笑)。

 発行部数は現在〇〇〇

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あした わたしは 旅にでます♪

多分、30年振りくらいでしょうか、明日は東京へ行きます。何をするって、東京地裁・高裁・簡裁の面白そうな事件を開廷表から探し出し、ひたすら傍聴する。でもって、夜は今井さんって、交通ジャーナリストさんに付き合ってもらって居酒屋で飲む。

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今井さんとは、奈良のオービスもみ消し事件でお逢いして以来のご対面。奈良地裁にはソレガシ、車で通ったので、お酒の付き合いが出来ず心残りだったのである。楽しみじゃ~。では、またっ

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じゃばら酒

神田屋さんからのメルマガに、じゃばら酒の紹介があった。じゃばら?? ジャバラ?? 蛇腹?? って何じゃと調べてみると和歌山産の柑橘類の一種らしい。でっ、クエン酸の量が、桁違いに多いようでアレルギーの抑制作用があるらしい。効くか効かないかは個人差があるんものの、オヤジ殿は重度の花粉症持ちが、ピタリと症状が出なくなったそうな。それならば、某も試さねばと取り置きをお願いした次第。では、またっ

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明日はSL乗車です

年に数度、関西でも蒸気機関車の運行があり、明日が今年度の最初の運行なのである。

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乗り鉄のソレガシは、琵琶湖側の座席を確保。撮り鉄のサンエース菊ちゃんさんは、良い写真が撮れるスポットを、朝早くから確保に行くようです。明日は希少なC571号機での運行なんで、沿道はたくさんの撮り鉄さんで賑わうことでしょう。では、またっ

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オートキャンプ場

今年度のオートキャンプ場の受付が、昨日の朝9時から始まった。海が目の前で、料金も割とチープなところで予約を取るのが大変なスポットなのです。固定電話や携帯で掛けたのでは繋がりにくく、公衆電話から掛けると少しだけ繋がり易くなるのか、昨日は20分ほどで通話が可能となった。がっ、それでも7月の最後の土日や、8月の中旬までの土日は既に予約で埋まってるという・・。希望日を確保するのは、運との勝負なのである。その後、免許の更新をすべく交野警察署へ。優良運転者区分なので、免許は手数料を払って郵送にしてもらうか、指定日に講習を受けて受け取るかをチョイスできるそうな。だが、郵送を選択すれば当日に講習を受けることが出来、手数料が惜しいからと郵送を拒否すると当日の講習は受けれないという。たかが800円の為、別の日にわざわざ時間を割かせるとは、正に嫌がらせのようなシステムである。手続きを面倒にし、交通安全協会に金が落ちるように仕向け天下り先を太らせる。公務員って、つくづく頭良いと思った次第。では、またっ

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